藤田です。
今回は職務経歴書の具体的な書き方について書いていこうと思います。
転職活動は「企業との接点を発掘し、フィッティングする作業だ」と言うことは既に述べた通りですが、今回の記事を読んで頂ければ、書類選考で通る職務経歴書の書き方が分かるかと思います。
また今回の記事を読んで、最初はうまく行かなくても、何度も書き直すことによって次第にブラッシュアップされ、より洗練されたあなたの魅力が詰まった職務経歴書を書くことができるはずです。
今回の記事を読んで頂く前に前回お話した、「職務経歴書の8つのポイント」を読んで頂くとより理解が深まりますので事前に一読しておくことをお勧めします。
職務経歴書は3つのステップでまとめる
職務経歴書はビジネス文書です。あなたが普段書くビジネス文書と同じ要領でまとめていくと、比較的スムーズに職務経歴書を書くことが出来ます。
具体的には、書類選考で通る職務経歴書を書くにあたって、3つのステップでまとめていくと良いでしょう。
ステップ1:過去を振り返り自分の職歴を出来るだけ細かく書き出す
ステップ2:職務経歴書の4つの項目に落とし込む
ステップ3:職務経歴書はA4サイズの用紙1〜2枚にまとめる
それでは、各項目について以下に詳しく解説していきます。
ステップ1:過去を振り返り自分の職歴を出来るだけ細かく書き出す
職務経歴書を書くにあたって、はじめから完成度の高い職務経歴書を書こうと意識しすぎないでください。まずは自分の過去の仕事を振り返り、「いつ」「どこで」「どんな仕事をしてきたのか」を振り返り、紙に書き出していってください。
また「その結果・成果はどうだったのか」ということも忘れずに書き出すようにしてください。この段階では箇条書きでも、文章でも構いません。今まであなたが関わってきた仕事の細かいところまで、思い出して白い紙の上に書き出してください。
これらは、後で職務経歴書をまとめる上での「素材」となります。ここで洗い出した「素材」を採用担当者にアピールできる形に「加工」して落とし込むのが職務経歴書です。
ステップ2:職務経歴書の4つの項目に落とし込む
職務経歴書はビジネス文書です。では良い、ビジネス文書とはどのような文書のことをさすのでしょうか。それは、「わかりやすく」「要点が簡潔にまとめられている」です。
ビジネス文書はしっかりと読み込んでやっと理解できる文書ではなく、目を通しただけで理解できる文書です。そのためには、要点が分かりやすく箇条書きでまとめられており、もれがなく、簡潔で、具体的な仕事の経歴がイメージしやすく十分な情報としてまとめられている文書を書く必要があります。
ですから採用担当者に好かれる職務経歴書をつくるには「1:過去を振り返り自分の職歴を出来るだけ細かく書き出す」で書き出した項目のエッセンスを抽出し、応募先企業が欲しい情報(経験やスキル)に合致しそうなものを抽出し、職務経歴書に落とし込む必要があります。
具体的には、エッセンスを抽出し職務経歴書の各項目である「職務要約」「職務経歴」「活かせる経験、知識、スキル」「自己PR」に落とし込んでいきます。
「職務要約」「職務経歴」「活かせる経験、知識、スキル」「自己PR」の各項目の内容については「書類選考を突破する為の職務経歴書の書き方8つのポイント」の記事内の「職務経歴書は4つの要素に分けられる」の項を参考にしてください。
良い職務経歴書をつくる際の注意点としては、はじめから完璧な職務経歴書を書こうとしてはいけません。またはじめからコンパクトにまとめすぎると大事なことが漏れてしまう場合があります。ですからまずは当てはめてみることが大事です。
ステップ3:職務経歴書はA4サイズの用紙1〜2枚にまとめる
最後に、ターゲットや相手先企業が求めるものは何かを十分にイメージした上で、不用なものは取り除き、よりブラッシュアップしていきます。
ビジネス文書として読みやすい簡潔な文章にまとめていきます。客観性を重視し、数字などを用いて誰にでも理解でき、わかりやすい職務経歴書に仕上げていきます。
例えば私が「2000名の方の応募書類を添削してきました」と言うよりも「延べ2564名の方の応募書類を添削してきました」というほうがより具体的で信憑性がある表現になることがわかります。
ただし、具体的すぎるとかえって疑わしくなることもありますので気をつけましょう。
職務経歴書はパンフレットのようなものです。あなたの経験や知識、スキルを採用担当者に分かりやすい形にして魅せる工夫を施す必要があります。またそれだけではなく、採用担当者の要望が、わかりやすく、簡潔にまとめられていて、会ってみたいと思ってもらう必要があります。
また表現の方法にも気をつけて下さい。ポイントはできるだけ余計なものを削ぎ落としポイントを的確に簡潔かつコンパクトに表現することです。
最初のうちは難しいかもしれませんが意識をして作成し続けることで、次第にブラッシュアップされ要領を得た職務経歴書になっていくはずです。
そのために、他の方が書いた履歴書をみるなどして表現方法を深めていくのが良いと思います。
職務経歴書の「職務経歴」は5W1Hにわけて整理する
職務経歴書の「職務経歴」欄に書くことに悩んだら「5W1H」に細分化して考えると整理しやすいかもしれません。
When:あなたは仕事をどの期間行なってきたのか
Where:あなたは仕事をどこで行なってきたのか
Why:あなたは仕事で何を達成する為に行なってきたのか
What:あなたは仕事で何を行なってきたのか
Whom:あなたは仕事を誰に対して行なってきたのか
How:あなたは仕事をどのように行なってきたのか。
そして大事なのは、その結果や成果はどうであったのか。つまり実績ですね。このようにして、具体的に細かく細分化し分析するのです。
以上のように5W1Hで仕事を整理することで、あなたのキャリアを客観的に見ることが出来るようになります。
どんな経験をして、どんな能力を得て、応募先の企業でどのように活かすことが出来るのか・・・の発見にも繋がります。
ポイントは具体的にどんどん細かくしていくことです。例えば営業職の場合ただ単に「法人顧客」と書き記すのではなく、「どのような法人顧客」まで踏み込む必要があります。その際に採用担当者を意識し、どういった言葉で表現すれば採用担当者の目に留まり、アピールすることが出来るのかまで考えてあぶり出していきましょう。
企業との接点を発掘し企業のニーズに応える
ビジネスは接点を見つけ出して、相手のニーズにこたえることで円滑に話が進んでいきます。転職もこれに同じで、相手先企業との接点を発掘し、その企業の要望に応えることで実現します。
つまり相手が求めていない部分よりも、相手のニーズに合うことを中心に述べ、求めていることを強調することが必要です。
相手がパソコンのスキルの経験を求めていないのに、パソコンのスキルを強調したところで意味がありません。それよりも相手が求めているものは何なのかを募集要項から読み取り、そのニーズに合う形で表現してまとめてください。
また職務経歴書はA4用紙で1〜2枚程度にまとめる必要がありますから、関係のない部分はバッサリと削ぎ落としまとめる取捨選択が必要になります。
応募先企業との接点を意識しキーワード化する
これまで私が書いてきた方法を使うことで、少なからずあなたは自分のキャリアを客観的に見ることが出来るようになっているはずです。ある程度あなたのキャリアが客観視できるようになったら、今度は応募する会社や職種との接点を意識してまとめていきましょう。
具体的には、応募先企業とどんな部分でつながりがあるのか、どんな経験や能力が求められており、どのように活かすことが出来るのかを考えていきます。
さらに接点を意識し、キーワードとして表現し相手のニーズに合わせた、相手のニーズに近い形で表現してみてください。つまりニーズに対応できる自分の経験、能力、スキル、要素をキーワード化していきます。
これが応募先企業とのフィッティング作業です。
相手のニーズに応えられそうな部分は積極的にアピールしていきましょう。
接点が見つからない場合は持ち運びが出来る共通点をアピールする
接点がどうしてもみつからないけど仕事には魅力を感じる・・・転職活動をしていれば、そんなことがでてきます。また総合職としての採用なので、具体的にどのような接点があるのかがよくわからない・・・。
そのような募集の場合、企業側としては「未経験でも可」というように表現されていますが、その場合はどのように職務経歴書を作成して行けばよいのか。
接点がなかなか見つからない場合は、持ち運びが出来るスキルに着目してください。今現在、過去の経験のどのような能力を持ち運ぶことが出来るのかということです。
つまり接点とは言えないまでも、共通点を見つけ出す作業です。
例えば営業職として異業種に転職されたい場合、営業として培ってきたコミュニケーションスキルでしたり、目標を達成するまでの過程と成果などに着目し、採用担当者に刺さるポイントを具体的に抽出して書き出すことです。
あなたの経験が全く他の会社で使えないということはよっぽどのことがない限りあり得ません。ですから共通点をしっかりとあぶりだし、積極的にアピールすることです。
何も見つからないという場合は、持ち運びが出来る経験や能力を意識してピックアップしてみてください。
応募先企業の中で活かせる経験、知識、能力の共通点を探す
例えば飲食接客業からアパレル業界に転職するとします。
ここでは持ち運びが出来るスキルは、接客としての経験でしょう。さらに細かく細分化し、例えばリピーターになって頂いたお客様がいる(結果)とすれば、いったいどのような方法で、どんなことに気をつけた結果リピーターとなってもらったのか(過程)を発掘します。
例えば飲食接客業でのみ使える、食材の知識は活かせないかもしれませんが、食材の特徴と種類を覚えて正確にお客様に伝えるというスキルは転職先でも活かすことが出来ると思います。
そのようにして、一見結びつかないような異業種でも、共通点をあぶりだせば、相手が納得できるような持ち運びが出来るスキルを発掘することができます。
ようはそれがどんなスキルであろうと、募集企業がしてもらいたい職業との接点や共通点を採用担当者が納得できればそれで良いのです。
直接活かせる経験や知識、能力や実績を持っていなかったとしても、能力や経験を活かすことが出来ないのかを考えていくと良いでしょう。
また募集企業のニーズに応える表現を探すのは非常に困難を極めるかと思います。おそらくあなたが活かせると思った能力やスキルをそのまま書いたとしても伝わらないかと思います。
大事なのは相手がキャッチしやすいキーワードに変換して、相手に伝わりやすい言葉に変換して表現することです。
職務経歴書はビジネス文書なのですから採用担当者のニーズをキャッチし、忙しい採用担当者にわかりやすく簡潔な言葉を投げかけることが重要なポイントです。
中途採用では仕事に対しての「一貫性」も重視される
中途採用は、ひとつの言葉でまとめられます。それは「企業のニーズにこたえること」です。
細かく砕いてみていくとそれは「あなたの能力」と「企業が求めている何か」の一致であり、もっと柔らかく言えば「ニーズを発掘し、あなたができることや、やりたいことと一致させる」ことでもあります。
また転職活動の重要な視点のひとつとして「一貫性」も求められます。
あなたはどのような軸で仕事をし、今後どのような軸を持って成長させていきたいのか、その一本の軸のようなものを求められます。
軸がぶれていたりすると、面接の場で必ず突っ込まれます。「それは何故ですか?」と。そしてそれに対する回答が常に一貫性をたもったものでなければ、お見送りになる可能性が極めて高くなります。
つまり、異業種であろうと、同業種であろうと、仕事に対しての軸は何らかを一貫性をみせることがひとつのキーポイントとなってきます。
※一貫性の発掘の仕方などについては後々の記事で扱う予定です。
自分の成長を発掘する
経歴が浅くアピールすることがないようであれば、自分の成長を採用担当者にアピールするのも有効的です。応募先の企業の求めている仕事と関連があれば尚可です。
自分の成長を発掘する上で大事な考えは、「どれくらいの期間」で「どのような仕事」を行い「どのような結果」をもたらしてきたのかということです。
あなたは過去経験した仕事の中で、どんな経験をし、どんなことを知り、どんなスキルを身につけたのか、それを詳細に書き出してみることからはじめてください。
些細なことでも、採用担当者からすれば、プラスの評価となることもあります。
ただし注意点として、大げさに表現しすぎないことです。自己評価を誇大にすると勘違いだと思われ、かえってあなたの能力をアピールできなくなる可能性があります。
職務経歴書に求められるのは客観性です。主観的すぎてもいけません。職歴が短かったり、経験やスキルが十分でない人にありがちなことですが気をつけて書くようにしてください。
また、ある種の謙虚さも必要です。アピールすることは悪くはないのですが、職務経歴書を書く時も、常に謙虚さを保つように心掛けてください。
また、キャリアがあまりない人は、意欲や、総じて未来への可能性をアピールする必要があります。あくまで、誇大にならず客観的な数字を盛り込むなどし積極的にアピールしていってください。
職務経歴書は常に一貫性をたもちながら客観的かつ具体的に表現する
職務経歴書は仕事の軸として、一貫性を保ちながら、なおかつ数字を盛り込むなどして客観的にわかりやすく、具体的に表現することが大事です。
言葉で言うのは簡単ですが実際に職務経歴書を書いてみると、まとまりがないものになってしまったり、うまく表現できなかったりするもの。
考えても、表現方法が見つからないときは、他の人が書いた職務経歴書を参考にしたり、他の人はどのように表現しているのかを意識し、他の人が書いた職務経歴書をみて、言葉を探すことが良いでしょう。
今の時代はネットにそこら中に転がっていますから書き方の具体例には困らないはずです。
もちろんTENSHO倶楽部でも後に記事として取り扱っていく予定です。
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