転職の面接を担当する面接官は「面接のプロ」だという誤解

面接をする際、多くのひとは緊張します。もちろん、面接で緊張するのはある意味仕方のないことです。一回の面接で、あなたの人生が大きく左右されてしまうのですから。だからまずは、緊張する自分を受け入れてしまいましょう。転職の面接で緊張するのは仕方のないことだと。

おそらく緊張の原因は、自分自身を査定されているような気分になるからでしょう。

だから、取り繕って自分を良く見せようとすればするほど・・・本来の自分の価値よりも高く見積もってもらおうと思えば思うほど、そのギャップによって苦しみます。

しかし、言葉では理解していてもなかなか緊張をほどくのは難しいものです。

でも、転職エージェントとして長年たずさわる私からいわせてもらえば、転職の面接なんかで、そこまで緊張する必要はありません。適度な緊張感を持つくらいで転職の面接にのぞむことを心掛けてください(・・・と言葉でいっても難しいと思いますが(笑))。

なぜなら、あなたが緊張しているのと同じくらい、実は面接官も緊張しているのはご存知ですか?あまり知られていないですが、実は面接官もかなり緊張しています。そして面接官はその自身にかかる緊張をほぐすため、まず相手に自己紹介や志望理由を求めます(その間に質問を考えます)。

そして、多くの場合、面接官はプロではありません。

あなたと同じように、日々、仕事を抱え、その合間をぬって面接にのぞむ企業人です。そんなプロではない片手間で企業人が面接を担当していることをまずはご理解ください。

では、採用時の面接におけるプロと素人の違いは何なのか。はたから見ると得体の知れないあなたの相手をする中途採用の面接官は一体どんな人物なのか。今回はその違いの話を中心に話していきます。そしてそれを知ることで、あなたの面接における緊張をほぐすことが今回の記事の目的です。

面接官の正体

先ほどお話したように、中途採用における面接官はプロではありません。「ウソだろ」と思う方は、以前私が書いた「不採用になる57の理由」記事を読んでみてください。たぶん不採用理由に驚くと思いますよ。

実際は、そんな理由で・・・というものばかりです。

>>>現役転職エージェントが明かす転職の面接で不採用になる理由57選

こうした理由で落とす面接官はごろごろいます。あなたの相手となる面接官は案外いい加減な存在なのです。

中途採用における転職面接の面接官はプロではない

では、プロと素人の違いは一体何なのか。ひと言であらわすならそこに「主観」が入っているかどうかです。

プロは自らの感情を一切排除し、ただ機械的に淡々と物事をすすめます。機械的に点数をつけ、それにそぐわなければ一切の感情を無視して排除します。

一方で素人は、おおいに主観が入ります。言い方を変えれば感情が入ります。

例えば、面接の前でちょっと嫌なことがあったり、たくさんの仕事を抱えて早く面接を切り上げようと思っていたりすると、それはもろに影響します。

さらに自分は遅刻しても詫びないくせに、相手が遅刻したことを詫びないと不機嫌な顔をする、なんとも人間臭い存在なのです。

良くいわれているように、おおむね最初の5分で、採用か不採用かの仮決定をし、後はそれを確認する作業に費やします。あなたがどう思おうと実際の面接の現場はそんなものです。

面接官の正体を知った上で対策をたてる

あなたが相手をする面接官は決してプロなどではありません。むしろ素人です。何度も言いますが、まずそれをご理解ください。

独断や偏見が入り交じっており、あなたが思うようなプロではなく、実際は、素人まるだしのひとが面接を担当しています。

ものすごく衝撃的なことかもしれませんが、中途採用の面接は、面接の素人が面接の専門的なノウハウもなしに、独断と偏見で、1時間ほど対話をして採否を決める・・・そんな場所なのです。

ここでは面接の評定票をお見せすることは出来ませんが、実際にみるとひどいものです。こんなもので、採否を決めているのか・・・と思いたくなるようなものばかりです。

「目を見て話さない」「話に不自然な間がある」「時折笑顔が歪んでいる気がする」「瞬きが多い」本当になんでもありの世界です。

中途採用の面接と新卒の面接の大きな違いは何か

中途採用の面接と新卒の面接の違いはどんなところにあるか考えたことがありますか?中途採用の面接が新卒の面接を大きく異なる部分は人事部だけではなく現場の採用部門のマネージャー、つまり、採用されれば、あなたの直接の上司に当たる人物が面接を実施するところにあります。

もちろん、採否の主導権も基本的に現場サイドにあります。つまり現場が不採用と決めれば、不採用になってしまうのです。

本来面接が仕事のひとつと思われる人事部ではなく、忙しく仕事を抱えている現場サイドが、割り込んで面接にのぞみ、あなたと対峙し、採否を決める・・・。中途採用の面接では、まるで社会の縮図のような、はたからみると理不尽なことが普通に起こっています。

中途採用における面接の進み方

ではそんな素人がどんな風にして、応募者を評価しているのか。前置きが長くなりましたが、ここからがこの記事の重要なポイントになります。

何度も言うように、中途採用における面接官は素人です。そんな素人である面接官が、1時間という限られた時間内で応募者の採否を判断しようと思った場合、間違いなく「仮説検証型」で面接が進みます。

つまり面接の早い段階で、採用か不採用かの判断を下しています。その時間は、はじめの5分程度です。早いひとだと1分というひともいますが、そんな面接官は稀です。

はじめの5分で「仮説」をたて、後の55分は「仮説」を「検証」するための時間に費やされます。

面接官は最初の五分でどんなところをみているのか

具体的にいえば、はじめの挨拶から始まり、服装や髪型などの外見から、話し方などの立ち振る舞い、座り方、椅子に腰をかける姿勢など、あなたの全身に目を配り経験から人物イメージを勝手に築き上げます。

最近読んだ本にも書かれていましたが、その仮説の代表的なものは以下のようなものになります。

・声が小さい = 仕事に自信がない。消極的。

・目を見て話さない = コミュニケーションに問題がある。

・態度が大きい = 自信過剰で、協調性に疑問が残る

・話が長い = プレゼン能力が低い。物事の要点をとらえる能力が低い。

如何でしょうか。面接官はちょっとした情報であなたがどんな人物であるのかを勝手にイメージし、そこで形成されたイメージを元に、仮の採否を決定し、「検証」していくことで面接は進められます。

実際に自分が面接官として、面接する側にたってみるとよくわかります。恐ろしいほど早く人物像を勝手につくり上げます。「このひとはこういう人物だ」という仮説を立て、それにあてはまると「やっぱりこういう人物だった」と決めつけるのです。

面接のまとめ

面接官はプロであるという誤解・・・如何でしたでしょうか。確かに面接に慣れている面接官もいることは事実ですが、それでもただ慣れているだけで素人にかわりありません。

そして、面接官は素人であるがゆえに、独断と偏見で応募者を判断し、主観によって採否を決めます。大前提としてそれを覚えておいてください。

では、その判断するタイミングはというと、最初の5分です。ドアを開けてからの、最初の5分であなたのイメージが固まります。

だから最初の5分は意識を集中させることが中途採用の面接を切り抜ける為には非常に大事なポイントとなります。

また、中途採用で採用されるのは即戦力だといわれますが、それもまた大きな誤解なのであわせて以下の記事を読んでおくと良いでしょう。

>>>中途採用者を募集する企業が重視する本当の意味での即戦力とは

>>>転職の進め方はこちらからご確認ください

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